札幌市東区あつき動物病院

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中高齢猫に発生が多い慢性腎不全・慢性腎臓病の早期発見のためにできることはあるのでしょうか?6歳以上の中高齢猫に腎不全患者は多いため他人事ではありません。慢性腎不全・慢性腎臓病の猫の寿命を延ばすために必要な早期発見について、そして治療法についても解説していきます。

猫の慢性腎不全・慢性腎臓病の原因

犬に比べ猫では中高齢になると加齢に伴い慢性腎不全の発症が多いですが、その理由についてはっきりしていません。 急性腎不全後に慢性腎不全に移行したり、多発性腎嚢胞などの腎臓病の進行によって慢性腎不全になることもあります。

早期発見のための初期症状

腎機能が低下すると初めに飲水量が増え、おしっこの量が増え、尿の色が薄くなり、おしっこの臭いも薄くなってきます。 自宅で気付く初期症状としてはこのあたりでしょう。
ただし腎臓の尿を濃縮する能力が落ち始めたこの段階ではすでに正常な腎機能の約60%が失われています。
その後、食欲が落ち始め、痩せてきたり、毛並みが悪くなる、吐くことが増えるなど、どの病気でも起こりえる症状が続いてきます。

早期発見のためにどうすればいい?

6歳以上の中年期の猫は1年に1回、10歳以上の高齢猫では1年に2回ほど動物病院で血液検査、尿検査、エコー検査を受けて腎臓の異常がないかどうか調べてもらうことをおすすめします。

ただし、通常の腎臓の血液検査項目である尿素窒素やクレアチニンは腎機能が約75%失われてから数値の上昇がみられるため、健康診断としてはやや力不足です。

最近ではSDMAという新しい腎機能の血液検査項目があり、この数値は腎機能が約40%失われた段階で異常値を示してくれるため、健康診断ではこの項目も一緒に測定するほうが良いでしょう。

慢性腎不全の治療法

腎機能悪化の抑制
新薬「ラプロス」が腎臓に作用して猫の腎臓病の進行を遅らせる効果がみられる薬です。錠剤が小さいため薬を飲ませづらい猫でも比較的投与しやすいです。

高血圧の治療
腎臓病の猫では高血圧のことが多くみられます。血圧を正常に保つことによって腎機能を維持します。さまざまな種類の内服薬があります。その子にあった効果のある薬を選ぶことができます。

タンパク漏出の抑制
尿中にタンパク質が過剰に漏れ出ていると、それが腎不全の悪化要因になります。 そのため1~3か月毎など定期的に動物病院で尿検査を実施してタンパクの漏出がないか調べたほうが良いでしょう。 もし尿中にタンパクの漏出がみられる場合は内服薬の投与で治療していきます。これらの治療薬はフレーバーのついた錠剤や飲みやすい液体の薬があるため比較的毎日の投与がしやすいです。

腎臓病療法食
腎機能の悪化が見つかった段階から腎臓病用に調整された療法食を与えます。 腎不全用の療法食を与えることにより、腎不全の悪化、尿毒症の発生時期を遅らせることが分かっています。 動物病院で取り扱いのあるペットフードメーカー各社が猫の腎臓病向けの療法食を販売しています。 詳しくは当院までご相談ください。

活性炭や吸着剤
腎臓が悪くなると、腎臓機能の悪化要因でもある老廃物やリンが体にたまっていきます。 活性炭や吸着作用のあるサプリメントを投与してリンや老廃物を吸着し、便とともに体の外に排出していく必要があります。

猫の慢性腎不全まとめ

腎機能は一度悪化すると治療で元に戻してあげることができません。 そのため早期発見が長生きのための秘訣です。 猫の飲水量や尿の様子などのちょっとした変化に気づいてあげること、定期的な健康診断を動物病院で受けることがとても大切です。

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