札幌市東区あつき動物病院です。今回は他の先生より紹介してもらったフェレットの症例をご紹介します。
前日より右後肢を引きずるとのことで来院。
食欲は正常、あまり動かないとのこと。
獣医師から相談があり、その話ではプロプリオセプションが低下しており、歩様からも麻痺しているようだと話があり、犬猫同様の診察アプローチをお願いしました。
脊椎、脊髄疾患やフェレット特有の内臓疾患からのふらつきを除外する必要性を伝えました。
オーナー、獣医師双方からの希望があり、翌日診察したところ、確かに右後肢はやや力が入っていないようでしたが、歩様も支柱肢跛行であり、プロプリオセプションは左右共に不明瞭でしたが、触覚性踏み直り反射、ホッピングともに正常で神経学的な異常は感じませんでした。
触診にて膝関節の前後左右の不安定性、レントゲンでも脛骨前方変位があり、前十字靭帯断裂が疑われました。
犬においては外科手術が必要になる例が多いのですが、フェレットでは体重が軽いため保存的治療で症状が軽快する例が多いです。
その症例も初診時はステロイドが使われていたのですが、NSAIDsに変更し投与したところ日に日に良化し、現在では患肢も十分負重しており、正常時の80%くらいまで歩様は改善しました。
今後は変形性関節症の進行を抑えるためにNSAIDsの長期投与やヒアルロン酸、グルコサミンなどの投与を行う予定です。
フェレットにおいては正常例でもプロプリオセプションは不明瞭なことが多いです。
フェレットの治療はあつき動物病院へご相談ください。他動物病院様からのご紹介も受け入れています。