猫の特発性膀胱炎の治療、特に漢方薬の使用について

2019/12/1
犬猫の漢方薬

札幌市東区あつき動物病院です。今回は冬に発生の多い猫の膀胱炎症状についてです。

何度もトイレに行く頻尿や血尿、トイレ外でのおしっこ、排尿時に鳴くなどの膀胱炎症状の原因は主に膀胱結石やストルバイト結晶、シュウ酸カルシウム結晶などの尿砂、細菌性膀胱炎、膀胱腫瘍などがありますが、猫ではこれら炎症の原因が見つからない特発性膀胱炎が膀胱炎症状の原因の約60%を占めています。

猫の特発性膀胱炎は主にストレスが原因といわれており、その治療にはストレスを緩和する成分が入った膀胱炎用の療法食やポリ硫酸ペントサンナトリウムの注射やサプリメント(抗炎症成分や抗不安作用のある)を使用することが多いですが、標準的な治療法に反応が少ない猫ちゃんもある程度います。

そこで当院では、頻尿や血尿などがなかなか治らない猫の特発性膀胱炎に対して膀胱の炎症を抑えたり、精神を落ち着かせたりする作用の漢方薬を併用して治療にあたっています。漢方はこれら西洋医学的な標準治療ではコントロールが困難な例に効果を発揮してくれることが多くあり、副作用をほとんど気にせず使用できるので、このような治らない血尿や頻尿に悩んでいる猫ちゃんに役立ってくれる治療法です。

血尿や頻尿などの膀胱炎症状が治らない猫ちゃんはあつき動物病院までご相談ください。漢方治療が効果を発揮してくれるかもしれません。