フェレットにおける非細菌性血栓性心内膜炎

2018/12/4

札幌市東区あつき動物病院です。フェレットの文献情報です。

■ フェレットにおける非細菌性血栓性心内膜炎

Nonbacterial thrombotic endocarditis in a ferret (Mustela putorius furo).
J Zoo Wildl Med. 2006 Jun; 37(2):197-201.
Kottwitz JJ, Luis-Fuentes V, Micheal B.
Department of Veterinary Clinical Sciences, The Ohio State University, College of Veterinary Medicine, 601 Vernon L. Tharpe Street, Columbus, Ohio 43210, USA.

4歳のオスのフェレットが3日間の後肢運動失調と衰弱を示した。
深い咬傷に起因した蜂窩織炎が見つかり、初めは抗生物質と消炎剤で治療された。
2週間後、身体検査において心雑音が聴取された。
心エコー検査で正常なサイズ、収縮能の心室に不規則に厚くなった大動脈弁を認めた。
フェレットの体調は急速に悪化し、安楽死とされた。
潰瘍と増殖性病変を伴う大動脈弁の粘液腫変性と多臓器梗塞が剖検によって認められた。
細菌性の病因は血液培養や組織病理学的にも同定されなかった。
病変は非細菌性血栓性心内膜炎と考えて矛盾がないフェレットにおいて目新しい症状である。

<コメント>
時間の関係などもありアブストラクトの和訳です。
病因は違いますが私もこれと同じような経過をたどる症例を経験したことがあります。
特発性播種性筋炎(DIM)がフェレットでは話題ですが、その症例は多発性筋炎の診断基準および筋生検結果から多発性筋炎かなと思っています。

細菌性心内膜炎、特発性播種性筋炎(DIM)、多発性筋炎どれも診断治療ともに難しいものばかりです。フェレットの治療はあつき動物病院へご相談ください。