札幌市東区あつき動物病院です。フェレットの診療を専門的に行っています。今回はフェレットの強制給餌の方法についてです。
フェレットでは食欲不振の原因が何であれ、治療に反応するまでの間、とりあえず食べさせることによって体力の維持を図らないとどんどん衰弱していってしまいます。
例えば、体重1kgあった子が急激に半分の5~600gにまで減少し衰弱していくなどよく目にする出来事です。
そういった強制給餌が必要な時によく当院で使用しているのが、a/d(ヒルズ)、退院サポート(ロイヤルカナン)、高栄養・免疫サポート(販売中止)(ロイヤルカナン)、テクニケア(イースター)などの強制給餌に役立つ缶詰、流動食など。
食欲がない子でも高栄養・免疫サポートやテクニケアだったら器からそのまま食べてくれることも多々ありますが、食べない場合はペースト状にした流動食をシリンジで与える必要があります。
また、流動食の場合一緒に水分も摂取できるため水分の補給にも役立ちます。
強制給餌が短期間の場合は高栄養・免疫サポート単独で行なっていいかとおもいますが、長期化する場合は出来ればa/dや退院サポートといった主成分が肉類のものを混ぜるようにしています。
ただ、a/dや退院サポートを好まないフェレットも多いため、高栄養・免疫サポートを混ぜて嗜好性を良くして与えると何とか飲んでくれるようになることも多いです。
投与量としてはフェレットの維持カロリーは報告によってかなりばらつきはありますが、70kcal/kg/日や200~300Kcal/kg/日との報告があるので、はじめの目標としては100kcal/日でスタートし、体重の増減や便の様子、食べてくれるかなどを指標に増減して与えていきます。
強制給餌に慣れると体調が戻っても、以前のドライフードを食べてくれないことも多いですが、流動食の中にドライフードを粉末にしたものを混ぜたりして徐々に以前の食性に戻すよう努力します。
フェレットの治療において強制給餌は非常に重要な処置と言えるため
強制給餌が必要な時にこのエントリが少しでもお役に立てればと思います。
札幌でフェレットの治療はあつき動物病院へご相談ください。