フェレットの犬ジステンパーウイルス感染症の発症はビタミンAによって影響される

2018/12/4

札幌市東区あつき動物病院です。フェレットの文献情報です。

Disease manifestations of canine distemper virus infection in ferrets are modulated by vitamin A status.
Rodeheffer C, von Messling V, Milot S, Lepine F, Manges AR, Ward BJ.
McGill University Health Centre Research Institute, Faculty of Medicine, Division of Infectious Diseases, Montreal General Hospital, Montreal, QC, Canada.
J Nutr. 2007 Aug; 137(8):1916-22.

フェレットの犬ジステンパーウイルス感染症の発症はビタミンAによって影響された。
麻疹ウイルス(MV)は幼少期の死亡原因の半数となる。ビタミンAの補給は確かに死亡率、疾病率を減少させる。

麻疹ウイルスに対するビタミンAのメカニズムは理解されておらず、現在のところ十分な麻疹ウイルス感染症の小動物モデルがない。
私達は犬ジステンパーウイルス(CDV)に対するビタミンAの抗ウイルス活性を調査するための研究モデルをフェレットで開発した。
CDVは分子レベルでMVに密接に関連しており、フェレットのジステンパーはヒトの麻疹に似ている。

ビタミンA豊富なフェレット(コントロール群)とビタミンAを減少させたフェレットにジステンパーウイルスを感染させ、高容量のビタミンAのジステンパーに対する影響を評価した。

抑制されたフェレットは発熱、発疹、結膜炎、咳、鼻かぜ、下痢を起こした。
30mgのビタミンAが与えられているコントロール群のフェレットは感染後に典型的なジステンパーの症状を示さず、軽い発疹が出ただけであった。

ビタミンAサプリメントはフェレットの健康に否定的に影響せず、血清、肝臓のビタミンA濃度は100%増加した。
ビタミンA欠乏は高容量のサプリメントにより改善することも確認した。
ビタミンA欠乏は神経性無食欲症、下痢、白内障、行動異常およびジステンパーウイルスの感染の有無に関わらず最終的に死亡する。

標準的なビタミンAの補給を受けている全てのフェレットはジステンパー感染から回復する。
これらの結果は麻疹のヒトにおけるビタミンA療法で観察されたたくさんの様相を反復し、ジステンパーウイルス感染症のフェレットはビタミンAの抗ウイルス活性の研究に適当なモデルであると示された。

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犬と異なり、フェレットではジステンパーはほとんど100%死亡すると一般的には言われています。フェレットのジステンパーは時々いましたが、最近は遭遇することも減った印象です。

札幌でフェレットのジステンパーの診断、治療はあつき動物病院へご相談下さい。