フェレットの脾腫

2018/12/4

脾臓の機能は主に造血、血球の破壊、血液の貯蔵です。

フェレットの脾腫の発生機序
・生理的
・髄外造血:骨髄の機能が低下した場合もしくは正常な個体でも行われることがある。
・鬱血:心疾患、肝疾患などによる門脈圧亢進
・過形成:感染や免疫介在性疾患
・脾炎
・腫瘍:原発腫瘍としてはリンパ腫が最も多い。インスリノーマなどの転移性腫瘍もみられる。血管肉腫、血管腫の報告もある。

フェレットの脾腫はヘリコバクター、消化管内異物、腸炎、上部気道感染症、歯牙疾患、心筋症、アリューシャン病、副腎疾患、インスリノーマ、リンパ腫などの腫瘍性疾患においても認められます。
脾腫自体の原因を鑑別診断することに意義がないことも多いですが、腫瘍性疾患との鑑別は早期に行う必要があります。

細胞診は出血性疾患が疑われる場合を除いて比較的安全な検査といえます。
脾臓における細胞診の意義は腫瘍性疾患との鑑別です。
フェレットでは高分化型リンパ腫の発生も多く、過形成との鑑別ができないことも多く、
脾臓のリンパ腫はリンパ芽球が単独で増加したもののみ診断可能です。
また、肝臓へ転移していることも多いので肝臓の細胞診も診断の補助となります。

フェレットの脾臓の細胞診はおとなしい子を除いて鎮静下で行うほうがよいでしょう。
ブラインドもしくはエコーガイド下で24-26Gの針で針吸引を行います。
犬猫同様、複数個所から採材します。

脾臓の細胞診の診断は臨床医には困難なことが多いので細胞診をみられる病理医に依頼するほうがいいと思います。

脾腫に対するアプローチ
多くの場合、原発疾患による変化と考えられる。そのためインスリノーマ、副腎疾患、心筋症、消化管内異物、アリューシャン病など特徴的な疾患をまず除外し、腫瘍性疾患の疑いがないかどうかスクリーニング検査として血液検査、レントゲン、エコー、細胞診を行う。
検査上、異常がなく臨床症状が脾腫以外になければ、経過観察とします。
経過観察中は脾臓の過度の腫大による不快感や脾臓の捻転、破裂などが起こりえます。
脾腫が顕著なときはリンパ腫も疑われるため、複数回の検査や脾臓摘出による病理学的検査を行う。